懐かしい本にもう一度会いたい
先日、横浜のある通りを散歩していると、昔ながらの佇まいの店が、思いのほかところどころに残っていることに気づきました。凝ったつくりの帽子が、ショーウインドウに飾られた帽子専門の店。品のいい服の並ぶ洋品店や紳士服の店。行きつけのお店で「休日のお買いもの」を楽しむ地元の人たちを見ているうち、急にある本の記憶が甦ってきました。それは、私が小さな頃にお気に入りだった、『おみせやさん』の本。横浜に今も残るレトロでモダンな雰囲気の店が、この本に出てくる「おみせやさん」にとてもよく似ていたのです。
私が特に好きだったのは、洋品店に帽子屋さん、それからおもちゃ屋さんとスーパーマーケットのページでした。陳列された商品は、とても細かく描かれていて、おもちゃ屋さんのウインドウに並べられた人形やロボットを眺めていると、うっとりと甘い気持ちになったものです。
この本は、もう私の手元にはありません。新しく手に入れるのも難しそうです。時代と共にお店の形態が大きく変化し、このような子ども向けのお店の本も、内容が変わっていて当然ですよね。それでも、移り変わるものだからこそ、当時の絵をもう一度見てみたい、どうにかしてあの懐かしい本を手にとってみたいのです。
さて、今月の月替わりメニューは、辛口の白ワイン。日に日に暖かくなるこの季節、白ワインは、ぜひ青空の下、風に吹かれながら飲みたいもの。オープンカフェで、緑の芝生の上で。そんなときに読むのにぴったりな本をご紹介します。
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●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
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