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まっこリ〜ナのカフェボンボン
大の本好き&現役編集者の「まっこり〜ナ」さんが、Hon-Cafeで、特別連載をしてくださることになりました! 開くと幸せな気持ちになれる、ラブパワーあふれる本を、Cafeのメニューになぞらえて毎月セレクトしてくださいますよー。更新は毎月第3火曜日。どうぞお見逃しなく!
年の始まり、早春の兆し

あけましておめでとうございます。
雨上がりの今日は暖かく、心身ともにほっとしながら原稿を書いています。庭に出ると、生暖かい風に湿った土の匂いが混じり、凍っていた花の茎も花びらも太陽の方を向いています。日差しや空気、植物を包むふっくらとしたものは、今年初めて感じた早春の兆しです。

初春。昔は、新年といえばもう春が来たということだったんですものね。寒さは厳しい時期だけれど、きっと今日のように春を感じられる日があったからなのかもしれません。

季節の言葉を確認したいときには、私は歳時記を開き、季語をたどりながら、気に入った句をノートに書きとめておきます。新年にちなんだ季語のなかで、「初便」、「初電話」、「縫初(ぬいぞめ)」なんて古風な言葉が、新しい年をゆっくりとかみしめる喜びのようで、とても好きです。

さて、今月の月替わりメニューは、抹茶。初春を迎えてふと感じるのは、日本の粋な心とたたずまい。今回は、そんな気分をページに漂わせた、一年の始まりにぴったりな本をセレクトしました。今年もどうぞよろしくお願い致します。

まっこリ〜ナイメージ
まっこリ〜ナ Profile

編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
今月は……「日本の良きたたずまいを思う。初春の読書に気持ちも新たにお抹茶を」


価格:¥1,890
風が心の中を吹き抜けた飄然旅行

東京飄然
著者:町田 康 / 出版社:中央公論新社


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町田康が旅に出る。忙しいから基本的に日帰り旅で、こだわりは「飄然」という旅のスタイル。ふらりふらりと目的なくいかねばならない。だけどそれがなかなかうまくいかないの。飄然と家を出て、馴染みのない地下鉄や都電に行き当たりばったりで乗ってはみたものの、暖房と着ぶくれのせいで焦熱地獄に陥ったり、思い描いていたのとはえらくかけ離れた風情のない町に降り立ってしまうのだ。

ちっとも飄然とはいかない自分を反省しつつ、新しい場所への旅がまた始まる。初めての旅は早稲田へ。鎌倉から江ノ島へ。串カツを求めて梅田から新橋へ、そして銀座へ。町の風景や店の様子に気をとられ、あれこれ悩みつつ一喜一憂しながら東京を歩きまわる様子が、なんだか江戸時代の青年がタイムスリップして未来のトーキョーに迷いこんだようで、すごく新鮮でハラハラもする。

最近はあまり聞かない懐かしい日本語や、チャキチャキの江戸っ子の言葉がポンポン出てくるので、よけいにタイムスリップの雰囲気がある。いま現在の、私もいつも行く銀座や上野の雑踏の感じを思い浮かべながら、同時に日本人の粋な心がそのあたりに漂っている感じかしら。著者による写真も多数あり、楽しい。

本を一気に読み終わったあとは、一人の男がさまざまな時空の旅をする一連の詩を読んだかのようなイメージが残った。私の中を新しい風がさあっと吹き抜けていったような、とてもすがすがしい気持ちになった。


価格:¥1,300
せちがらい世の中に、日本人の美意識を探す

甘茶日記
著者:中野 翠 / 出版社:毎日新聞社


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映画評はもちろんのこと、歌舞伎や落語に精通し、着物を愛する中野翠さんの読み応えありの充実エッセイ。「勝ち組・負け組」なんていうイヤーな感じの言葉に、『うるせェんだよ〜!』って言ってくれる人はなかなかいないと思う。
大人気だったTVドラマ『タイガー&ドラゴン』や落語ブーム、ホリエモン、サッカー選手の好き嫌い、新しい国会議員たち。語り口は痛快で溜飲が下がる。

この人の辛口の文章の底には、どこかしら品の良さがあって、後味がいい。たぶん、中野さん自身が、日本人が古き時代から持っている慎ましさ、美しいたたずまいを何より大切にしているからだろう。世相を映し出すブームや事件のまっただ中にも、ふと、そんな日本人の良き心を見い出していく。そう、慎ましさや恥じらいを少しも感じられない人や発言を、私はやっぱり好きになれないと思う。

映画評を読んで、あらためて見たくなった映画多数ありです。とくに小津安二郎監督の作品をすぐに見返してみたくなりました。
・甘いココアな本  「甘いココアな本」一覧へ >>


価格:
¥1,260
身近なものや言葉に、幸福なイメージを重ねて

とるにたらないものもの
著者:江國 香織 / 出版社:集英社


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ガラスのレモンしぼり器の話がいい。それは、昔、祖母が恋におちた男の人に贈られたものだったから。祖母はいつもそれでオレンジエードを作ってくれた。旅行鞄、ウェリントンブーツ、子守唄。身のまわりにいつもそっと存在しているものや言葉。どうして気になるのか、どんなふうにして好きになったのか。

江國さんにとってのフレンチトースト。それは幸福そのもの。恋にまつわる思い出とも相まって、「それが朝食のための食べ物であり、朝食を共にするほど親しい、大切な人としか食べないものだから」だという。たしかに。そんなふうに考えると、身の回りの小さなものが色々なイメージをまとって輝き、息吹きが吹き込まれるようで愛おしい。

幸福なイメージを喚起する言葉は人によって違う。いろんな人に尋ねてみたい。もし子どもたちに聞いてみたらどんな答えが返ってくるだろう。私がもっと年をとったなら、幸福そのものに思えるものが少しずつ増えていくといいなあと思う。

・カフェオレな本  「カフェオレな本」一覧へ >>


価格:
¥420
懐かしい味にみる、良き時代のゆたかな心

むかしの味
著者:池波 正太郎 / 出版社:新潮社


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池波正太郎さんのエッセイの中でもとても好きな一冊。池波氏がかつて出会った懐かしい味と店の人との交流。強い印象を残したその味を今も守り続ける店をあらたに訪ね、食べものと結びついた過去の生活に思いを馳せる。日本橋の『たいめいけん』のポークソテーとカレーライス、銀座『資生堂パーラー』のチキンライス、神田『まつや』の蕎麦、京都『イノダ』のコーヒーとサンドイッチなどなど。

神田に昔ながらの下町の風情を残す一画がある。甘味処の『竹むら』もその一つ。池波さんが好んで食べた粟ぜんざい。去年の秋に寄ってみたら粟の季節にはちょっとばかり早くて残念でした。ここのところおぜんざいを作っては食べていたけれど、粟ぜんざいを食べに『竹むら』に行ってみようかな。

・フレッシュジュースな本  「フレッシュジュースな本」一覧へ >>


価格:
¥700
バナナの木もある、自由奔放な庭づくり

庭ができました
著者:銀色 夏生 / 出版社:角川書店


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子どもの頃に住んでいた場所。その敷地に家を建て、新しく庭を作る。いいなあ。きっと、昔の記憶が甦ってくるだろうなあ。不思議に懐かしい空間だと思う。庭の絵や図面をどんどん描き、職人さんと相談しながら完成に近づけていく。綿密な絵に驚いた。ちゃんと理想型が頭にあって、可能なこと不可能なことを見極めながら形にしていくのは、楽しいけれど本当に大変な作業だったに違いない。うちの小さな庭だって、予期せぬ自然の出来事で、植物はどんどん形を変えていってしまうもの。

荒れ放題だった庭をいったん整地し、木々や花を植えていく様子を刻一刻という感じで写真で綴る。独特の工夫や遊びがところどころにある楽しい庭。雪景色のあとは春。植物は庭を覆うようにどんどん成長する。夏の庭。夏休みの宿題のアサガオ。今度はお子さんたちが家の記憶を作っていくんだろうね。むせかえるような濃い緑の匂いを感じ、この庭が季節が巡るごとに秘密の花園のように形を変えていくのを想像している。

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2012年05月−「謎めいて。芳醇に香るヴィンテージ・ワインのような本」
2012年04月−「自然とともに。白い花のエルダーフラワー・ジュースのような本 」
2012年03月−「散歩日和。春を探しに焼きたてのマフィンをかごに詰めて」
2012年02月−「いにしえの都。若草が香る鶯もちのような本」
2012年01月−「木の話。森で味わう深煎りのコーヒーのような本」
2011年12月−「本の迷宮。エレガントなカフェ・ロマーノのような本」
2011年11月−「空を見上げて。夕焼け色のカンパリ・オレンジのような本」
2011年10月−「キュートな絵本。甘いホット・ファッジ・サンデーのときめき」
2011年09月−「日本のふるさとへ。素朴でやさしい味わいの栗もちのような本」
2011年08月−「今日もふらりと。公園のベンチに座ってソフトクリームでひと休み」
2011年07月−「永遠の夏。昼下がりのライチジュースのような本」
2011年06月−「電車日和。駅のスタンドのコーヒーが旅の始まり」
2011年05月−「かぐわしい夏。絞り立てのマンゴージュースのような本」
2011年04月−「大切な言葉。深い余韻を残すエスプレッソマキアートのような本」
2011年03月−「おみせ大好き。縁日の綿あめのようなノスタルジックな本」
2011年02月−「日本の粋。和の心あふれる桜もちのような本」
2011年01月−「見る喜びに満ちて。心浮き立つシャンパン・サングリアのような本」
2010年12月−「思いを届けて。遥かな国の便りを待ちながらクリスマス・ティーを」
2010年11月−「ラブリー・ガール。甘い夢をのせたカップケーキのような本」
2010年10月−「緑あふれる本。庭の木陰でクリームティーを楽しみながら」
2010年09月−「夜のファンタジー。秋の匂いがするメープルミルクティーのような本」
2010年08月−「少年たちの物語。甘酸っぱいミックスベリーティーのような本」
2010年07月−「見果てぬ夢。眠れない夜にのむ白ビールのような本」
2010年06月−「島のごちそう。夏の午後のパインソルベのような本」
2010年05月−「世界は広い。異国の風が香るミント・ジュレップのような本」
2010年04月−「道を極める本。傍らには気を静めるオレンジピール・ティーを」
2010年03月−「ビバ!ミュージック。泡がきらめくハイボールのような本」
2010年02月−「青春の輝き。夢がはじけるライムソーダのような本」
2010年01月−「ぼくのコレクション。フランボワーズリキュールで至福の時を」
2009年12月−「無償の愛。真っ白なスノーボールクッキーのような本」
2009年11月−「短編をよむ快楽。ビターなチョコレート・ブラウニーのような本」
2009年10月−「地図を広げて。町角でほおばるドーナツのような本」
2009年09月−「たどりつく場所。運命を占うコーヒーのような本」
2009年08月−「光と影を映す版画の世界。スパイシーなチャイのような本」
2009年07月−「大人の寓話。ノスタルジアな思い出がつまったラムネのような本」
2009年06月−「都市の風景。街の灯りを映すジン・ライムのような本」
2009年05月−「小さな島の物語。夏の喜びがつまったマーマレードのような本」
2009年04月−「旅はつづく。乾いた風に混じるチコリコーヒーの匂いを感じる本」
2009年03月−「オーラが輝く人。芳香を放つリモンチェッロのような本」
2009年02月−「Boy Meets Girlのときめき。さわやかなダイキリのような本」
2009年01月−「怖い物語。マシュマロ入りのホットココアでぬくもりを」
2008年12月−「少女の夢。ふんわり甘いマドレーヌのような本」
2008年11月−「聖夜にちなんで。幸運のお菓子ミンス・パイと心温まる本を」
2008年10月−「アメリカの風景。日曜日のチョコレートサンデーのような本」
2008年09月−「水辺の物語。水の波紋のような花茶のゆらめきとともに」
2008年08月−「和を慈しむ。日本情緒あふれるみつまめのような本」
2008年07月−「毎日が夏休み。夏の思い出の味がする、いちごのかき氷のような本」
2008年06月−「自然のインスピレーション。清々しく香るオレンジティーのような本」
2008年05月−「初夏の夜の匂い。新鮮なミントの葉が香るモヒートのような本」
2008年04月−「ファンタジックな贈り物。カフェ・コレットのように深い味わいの本」
2008年03月−「豊かなイメージの喚起。太陽の光を浴びたサン・ティーのような本」
2008年02月−「愛され続けて。バターの風味豊かでスイートなマフィンのような本」
2008年01月−「懐かしい思い出の味。カラメルソースが優しく甘いプリンのような本」
2007年12月−「極上の日本文学に酔う。豊かな芳香に満ちたカルヴァドスのような本」
2007年11月−「大切な人への贈り物に。ハートを描いたカプチーノのように心温まる本」
2007年10月−「北欧から届いた便り。フィンランドの素朴なお菓子・プッラのような本」
2007年09月−「旅心を誘われて。秋の香りを運ぶお酒、ジャック・ローズのような本」
2007年08月−「ハンモックに揺られながら読む。夏の果実のシャーベットのような本」
2007年07月−「さわやかな風に吹かれて。夏の庭で飲む葡萄ジュースのような本」
2007年06月−「もし猫と話せたら。夢溢れる空想の物語はハニーミルクのように優しい」
2007年05月−「愛の言葉の響き。サングリアのように甘く、生き生きとした詩の一節を」
2007年04月−「忘れられない愛。ハート色をしたイチゴのクリームソーダになぞらえて」
2007年03月−「春を告げるレシピ。お祝いの喜びに溢れた復活祭のお菓子のような本」
2007年02月−「昔を知る喜び。傍らには沖縄伝統の真っ白な泡のブクブクー茶を」
2007年01月−「音楽への扉が開く音。それはスパークリング・ワインのコルクの音のよう」
2006年12月−「幸せの予感に満ちて。ビターな香りを運ぶココアカプチーノのような本」
2006年11月−「冬のパリへ。ベビー・シャンパンの生まれたての泡に乾杯」
2006年10月−「叙情溢れる物語。異国的な香りたちこめるアールグレイのような本」
2006年09月−「恋愛のアフォリズム。甘酸っぱさが優しいクランベリーソーダのような本」
2006年08月−「ご馳走の歓び。幸福の味がするヴィシソワーズのような本」
2006年07月−「遠い夏。思い出は懐かしいバニラ・アイスの甘さとともに」
2006年06月−「いつも一緒に。心を優しく鎮めるラベンダー・ティーのような本」
2006年05月−「緑の木陰でひと休み。泡ガラスで冷たい麦茶をどうぞ」
2006年04月−「極上の短編の味わい。それは複雑に香るフルーツ・ティーのよう」
2006年03月−「ピュアな魂の物語。かぐわしい野生の黒すぐりの果汁のような本」
2006年02月−「花の色と香りで春を先取り。心華やぐローズヒップティーのような本」
2006年01月−「日本の良きたたずまいを思う。初春の読書に気持ちも新たにお抹茶を」
2005年12月−「冬の夜の静けさ。深い感動をコーヒー・グロッグの温かさとともに」
2005年11月−「究極の美に浸る喜び。贅沢なミモザのような本」
2005年10月−「自由気ままな旅へ。異国の地で飲む一杯のカプチーノから」
2005年09月−「季節が移ろう気配。メープルプディングで秋の深まりを感じる本を」
2005年08月−「愛と絶望の炸裂。そのきらめきは色が弾けるフルーツパンチのよう」
2005年07月−「私のパラダイス。その心地よさはカフェオレフロートの冷たい舌触り」
2005年06月−「夢と奇跡を巻き起こす。ミラクルな甘さのキャラメルラテのような本」
2005年05月−「楽園の神秘に思いを馳せる。コナコーヒーの深い香りを感じながら」
2005年04月−「果汁の一滴一滴がもたらす愛と美。濃厚なざくろジュースのような本」
2005年03月−「南風が吹き、光に包まれる季節。青空の下の読書には辛口の白ワイン」
2005年02月−「心の奥の記憶が甦る。夏の日のレモネードのような本」
2005年01月−「果実の香りは最高のアロマ。泡が輝くロゼ・シャンパンのような本」
2004年11月−「心からくつろいで。さわやかな香りを運ぶジャスミン・ティー。」
2004年10月−「豊かな人生の彩り。その独特の味わいは、桂花陳酒の香りのよう」
2004年09月−「身を焦がす情熱。カフェ・マッキャートのように濃い、人生の軌跡」
2004年08月−「甘くせつない郷愁。バナナ・ジュースのやさしい記憶に身を任せて」
2004年07月−「空と海と大地に宿る命。体を潤すグアバ・ジュースのような本」
2004年05月−「柔らかく無垢な眼差し。香り高いココナッツ・カプチーノのような本」
2004年04月−「官能的なルビー色の果肉。絞り立てのブラッドオレンジを飲みほして」
2004年02月−「本を開くと溢れる愛。カルーア・ミルクで心に休息を。」
2004年01月−「一匙のジャムは心の癒し。冬の夢へ誘うロシアン・ティーのような本」
2003年12月−「濃厚な甘さとほろ苦さ。あつあつのホットチョコレートのような本」
2003年11月−「待ち遠しいクリスマス。本の傍らには聖夜の定番・エッグノッグを」
2003年10月−「どこか懐かしい蜂蜜の味。とろりと甘いハニーカフェラテのような本」
2003年09月−「見ているだけで幸せ。華やかなハイビスカス・ティーのような本。」



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