旅の記憶が記されたノート
久しぶりに本棚の整理をしていたら、一冊のノートが出てきました。それは、私が初めてヨーロッパを旅したときに書いた日記でした。もう何年も読み返したことがなかったので、しばし懐かしさに浸りました。冬のヨーロッパの寒さに驚きながらも、雪に包まれた町が朝日に美しく輝く様子に心打たれたことなどが、冷たい空気とともに蘇ります。
それにしても、ノートに何回も出てくるのが、「ブーツがほしい!」というフレーズです。ウイーンやパリでお洒落な女の人を見て刺激を受けたのを覚えていますから、ますます欲しくてたまらなかったのだと思います。この冬、一番欲しいのはやっぱりブーツ。何年たっても同じことを言っているんだとあきれてしまいます。ノートには、こんなブーツがほしいの、という絵まで入っていて、それが今探しているものとそっくり。好みって変わらないものなんですね。
本棚の一番奥で、長い間、ノートに閉じ込められていた旅の記憶。それが、アラジンの魔法のランプみたいに一気に解き放たれて、思い出と憧れが渾然一体となって、心のなかに温かくとどまっています。
さて、今月の月替わりメニューは、ベビー・シャンパン。クリスマスを控え、きらきらと輝くヨーロッパの町に思いを馳せながら乾杯したい、そんな本をセレクトしました。
|
|
|
●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
|
|
|