郷土玩具のある家
我が家の玄関には招き猫がいくつも並んでいます。旅先で出会った猫、骨董店で見つけた猫といろいろですが、招き猫に限らず、郷土玩具が昔から好きなのです。きっかけは、子どものころに通っていたお絵描き教室だったと思います。画家の女の先生が、子どもたちの水彩画の題材に郷土玩具をよく持ってきてくれたのです。
学年が上がると、私は、油絵を習いに先生のご自宅にひとりで通うようになりました。何より楽しかったのは、先生の家が珍しいものでいっぱいだったこと。お絵描き教室の郷土玩具は、コレクションのほんの一部でした。鳩笛や赤べこ、三角だるまなどの郷土玩具に、外国の郷土品もたくさん。カラフルなメキシコの人形や、わらに包まれた「果実酒」のボトルなど、エキゾチックで色とりどりのモチーフにあふれていたのです。
先生は画家として各地を旅しながらあの品々を集めたのだと思います。ソンブレロのマリアッチやフィアスコ瓶のキャンティワインは、メキシコやイタリアの旅のお土産なのか聞いてみたかった気がします。私が本物の画家のアトリエの空気を知った初めての体験でもありました。
さて、今月の月替わりメニューは、チョコレートサンデー。アメリカ生まれの甘いスイーツには、アメリカン・ダイナーが似合います。チョコレートソースやアイスクリームがたっぷりのったサンデーをスプーンにひとすくい。まるいガラス容器の向こうに古き良きアメリカの風景が見えるようです。
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●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
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