こんな素敵な人がいた
世田谷文学館で開催されている「堀内誠一展」に行ってきました。堀内誠一さんは「アンアン」や「ブルータス」など人気雑誌のアートディレクターやデザイナー、また絵本作家としても活躍した人です。たった14歳で伊勢丹の宣伝課へ入社したのがキャリアの始まり。早熟の天才だったんですね。
さまざまな分野で素晴らしい創作活動をした方ですが、私にとっての堀内誠一さんは、なによりも『くるみわりにんぎょう』の絵を描いた人、なのです。小さいときに何度も読み返した『くるみわりにんぎょう』の絵本。やさしい目をしたくるみわりさんの絵が好きでした。その絵本の原画に今回初めて出会うことができました。
当時の絵本の表紙にあった「え・ほりうち せいいち」の文字。ひらがなの名前の記憶と有名なイラストレーターの堀内誠一さんが結びついたのは、ずっとあとになってからです。何十年たった今も原画は色あせることなく鮮やかで、くるみわりさんはやさしくこちらを見ていました。こんな思いがけない出会いをくれた天国の堀内さん、ありがとう。
「堀内誠一展 旅と絵本とデザインと」は9月6日(日)まで世田谷文学館で開かれています。京王線芦花公園駅近くの緑が残る素敵な場所です。よかったら訪れてみてください。
さて、今月の月替わりメニューは、チャイ。煮出し式のミルクティーに、シナモンやカルダモン、クローブなどのスパイスを効かせたインドのお茶です。今回ご紹介する陰影に富む版画の世界は、スパイシーなチャイの風味を思わせます。
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●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
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