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まっこリ〜ナのカフェボンボン
大の本好き&現役編集者の「まっこり〜ナ」さんが、Hon-Cafeで、特別連載をしてくださることになりました! 開くと幸せな気持ちになれる、ラブパワーあふれる本を、Cafeのメニューになぞらえて毎月セレクトしてくださいますよー。更新は毎月第3火曜日。どうぞお見逃しなく!
ブルグミュラーの楽譜

ピアノの教則本に「ブルグミュラー」という練習曲集があります。子どものころに習ったピアノの練習曲というとまずブルグミュラーが思い浮かびます。それはたぶん、小さな子どもにとって「ブルグミュラー」というエキゾチックな言葉の響きが、少しステップアップした曲に挑戦しているような気分にしてくれたからなのかもしれません。

「ブルグミュラー」の曲は、どれも覚えやすく印象に残るのですが、その題名がまた魅力的でした。「素直な心」に始まり「貴婦人の乗馬」へと続く25曲。「アラベスク」「無邪気」「やさしい花」……。曲のイメージを鮮やかにとらえたシンプルな言葉のフレーズが美しい。「小さな嘆き」や「なぐさめ」はどこか大人っぽい響き、「タランテラ」は激しい曲調にぴったりの題名です。

私のピアノの男の先生は、楽譜に絵を描いて曲の意味を教えてくれました。

今回ご紹介している庄野潤三さんの『せきれい』も、ブルグミュラーの中の一曲です。

さて、今月の月替わりメニューは、ドーナツ。旅先の町の小さな屋台で買ったドーナツは、きっと初めての味。甘いドーナツ片手に地図をたどる気分で、旅の物語に思いを馳せてください。


まっこリ〜ナイメージ
まっこリ〜ナ Profile

編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
今月は……「地図を広げて。町角でほおばるドーナツのような本」


価格:¥2,100
クールな旅の文学ガイド

旅するアメリカ文学
著者:青山南/長崎訓子 / 出版社:エスクァイアマガジンジャパン/アクセスパブリッシング


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「旅するアメリカ文学」126作品を、翻訳家でエッセイストの青山南氏が厳選し、旅心を誘う名シーンを抜粋した本。

青山氏の新訳で話題になったジャック・ケルアックの傑作『オン・ザ・ロード』にリチャード・ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』、ジョン・アーヴィングの『熊を放つ』などなど。のきなみしびれる作品ばかりが並んでいて、それだけでもう幸福な気持ちになります。

読んだことのある作品なら、どの一節が引用されているのか興味しんしん。初めて読む抜粋に心魅かれれば、絶対にその本を読んでみたくなる。

『コールド・マウンテン』や『荒野へ』といった映画の原作もセレクトされています。ヴィム・ヴェンダース監督は、サム・シェパードの自伝的エッセイ『モーテル・クロニクルズ』にインスパイアされて『パリ・テキサス』を撮ったそうです。とくにロード・ムービーはそうだけれど、アメリカ文学と映画は分ちがたく結びついていて、旅する人の背景に広がるアメリカの風景が、映画のスクリーンで見た景色と重なり合うのです。

本書を読んでいると、アメリカ文学の根底に流れているのが、探検、ロード・トリップ、旅そのものであることを実感します。


価格:¥1,890
ヨーロッパの古い町を巡る、味わい深い旅紀行

町角ものがたり
著者:池内紀 / 出版社:白水社


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ゲーテやカフカの名翻訳家でドイツ文学者、エッセイストとしても知られる池内紀がつづる旅のエッセイ。使い慣れた小型トランクとリュックをおともに、ヨーロッパ各国を町から町へ気ままに旅してまわります。ウィーン、プラハ、ルクセンブルク、バーゼル、ミラノ……。訪れた町は30近くにものぼります。

古い歴史の重みと観光地の華やかさの両面を持つヨーロッパの都市。池内氏は町にゆっくりと滞在し、美しい建築物を眺め、教会の鐘の音を聞きながら、都市のたどった物語に思いをめぐらします。ゲーテやカフカはもちろん、留学時代の森鴎外の挿話もあり、奥行きが深い。ドイツ文学だから格調高くてとっつきにくいなんてことはありません。異国の人との接し方にも、池内氏のユーモラスな人柄がしのばれる、大らかで楽しいエッセイです。

最後の一編は、ミュンヘンのクリスマス市。クリスマス・イブの日の町角で、モミの木を売る親子の光景が心に残ります。

ヴェローナの円形劇場、ザルツブルクの時計屋、ワルシャワの動物園前、エーゲ海の騎士の町など27編を収録。洒落たカバー絵や地図を、池内氏自身が描かれたと知って驚きました。旅先で手帳に描きとめるそうです。柔らかい色合いの絵が、見知らぬ町の風景に彩りを添えているようです。
・カフェオレな本  「カフェオレな本」一覧へ >>


価格:
¥630
ピアノの音が聞こえる丘の上の家

せきれい
著者:庄野潤三 / 出版社:文藝春秋


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庄野潤三さんが88歳で亡くなられました。丘の上の家にくらす夫婦の日々を愛情あふれる筆致で描いたシリーズを愛読していました。なじみ深い多摩丘陵に、庄野さんが元気でおられるのだと、身近に感じてもいました。

本書も夫婦の静かな日常を描いた一冊です。タイトルの『せきれい』は、ピアノの練習曲集『ブルグミュラー』の曲。妻がこの曲を練習していると、なぜかうまく弾けないところがあり笑い出す。すると、夫が仕事机の前から「笑ってちゃいけないね」と声をかける。

「うまいこと下って来ないの」
「なんていう曲?」
「せきれい」

夫婦の何気ない会話から、楽しげな様子が伝わってきます。笑い声とピアノの音が聞こえてきそうですね。

美味しいものがたくさん登場するのも、庄野さんの本を読む楽しみのひとつです。フルーツケーキ、葡萄のピオーネ、アップルパイ、松茸ご飯と次から次へ。そして、家族や友人への心配り。読み終ったあとに、心洗われる作品です。


・フレッシュジュースな本  「フレッシュジュースな本」一覧へ >>


価格:
¥700
文庫で楽しむちひろの花

ちひろの花ことば
著者:岩崎ちひろ/いわさきちひろ絵本美術館 / 出版社:講談社


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画家のいわさきちひろは、数えきれないほど花のある情景を描きました。可憐な花のそばにはいつも、ちひろの愛した子どもたちがいます。

色鮮やかなひなげしの花から、子どもがそっと顔をのぞかせています。チューリップやスミレが咲く春の庭で遊ぶ子たち。朝顔の咲く夏の日。海辺のひまわりの向こうを走り抜けていく赤い水着の女の子と犬は元気いっぱい。

生命を謳歌して咲く花だけでなく、ちひろは枯草も好きだったそうです。「枯草と少女」に描かれた、物思いに沈む少女の大人びた表情にドキリとします。ひっそりとした枯草のさびしげな絵もまた、とてもちひろらしいのです。

平和を願い続けたちひろが、さまざまな花に寄せて伝えようとした思いを受けとって、子どもたちに長く伝えていかなければならない。この小さなかわいらしい本をめくりながら考えています。


・甘いココアな本  「甘いココアな本」一覧へ >>


価格:
¥1,260
遊園地が輝いていたころ

僕たちの大好きな遊園地
出版社:洋泉社


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先月の『ニッポンの観覧車』に続き、今回も遊園地の本をお届けします。先日閉園になった多摩テックには、別れを惜しむ人たちがたくさんつめかけていました。私の多摩テックの思い出は、夏休みのプール、お化け屋敷。多摩動物公園に行ったあと多摩テックで薄暗くなるまで遊ぶこともありました。遊園地の楽しみ方も家族によって違います。その違いこそが「うちの家族」だけの思い出となって心に残るのですね。

今はなき思い出の遊園地、今も現役の懐かしの遊園地。どちらも私たちに忘れられない記憶を残してくれた場所です。閉園となった遊園地の全盛期の写真も満載です。古めかしくて懐かしいー。当時流行りの服を着た子どもの姿に自分を重ねて見ています。

遊園地の歴史、愛された理由を詳しく紹介しながら、衰退した原因にも言及しています。現役でがんばっている遊園地にはエールを送りたくなる。そんな本です。


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2012年05月−「謎めいて。芳醇に香るヴィンテージ・ワインのような本」
2012年04月−「自然とともに。白い花のエルダーフラワー・ジュースのような本 」
2012年03月−「散歩日和。春を探しに焼きたてのマフィンをかごに詰めて」
2012年02月−「いにしえの都。若草が香る鶯もちのような本」
2012年01月−「木の話。森で味わう深煎りのコーヒーのような本」
2011年12月−「本の迷宮。エレガントなカフェ・ロマーノのような本」
2011年11月−「空を見上げて。夕焼け色のカンパリ・オレンジのような本」
2011年10月−「キュートな絵本。甘いホット・ファッジ・サンデーのときめき」
2011年09月−「日本のふるさとへ。素朴でやさしい味わいの栗もちのような本」
2011年08月−「今日もふらりと。公園のベンチに座ってソフトクリームでひと休み」
2011年07月−「永遠の夏。昼下がりのライチジュースのような本」
2011年06月−「電車日和。駅のスタンドのコーヒーが旅の始まり」
2011年05月−「かぐわしい夏。絞り立てのマンゴージュースのような本」
2011年04月−「大切な言葉。深い余韻を残すエスプレッソマキアートのような本」
2011年03月−「おみせ大好き。縁日の綿あめのようなノスタルジックな本」
2011年02月−「日本の粋。和の心あふれる桜もちのような本」
2011年01月−「見る喜びに満ちて。心浮き立つシャンパン・サングリアのような本」
2010年12月−「思いを届けて。遥かな国の便りを待ちながらクリスマス・ティーを」
2010年11月−「ラブリー・ガール。甘い夢をのせたカップケーキのような本」
2010年10月−「緑あふれる本。庭の木陰でクリームティーを楽しみながら」
2010年09月−「夜のファンタジー。秋の匂いがするメープルミルクティーのような本」
2010年08月−「少年たちの物語。甘酸っぱいミックスベリーティーのような本」
2010年07月−「見果てぬ夢。眠れない夜にのむ白ビールのような本」
2010年06月−「島のごちそう。夏の午後のパインソルベのような本」
2010年05月−「世界は広い。異国の風が香るミント・ジュレップのような本」
2010年04月−「道を極める本。傍らには気を静めるオレンジピール・ティーを」
2010年03月−「ビバ!ミュージック。泡がきらめくハイボールのような本」
2010年02月−「青春の輝き。夢がはじけるライムソーダのような本」
2010年01月−「ぼくのコレクション。フランボワーズリキュールで至福の時を」
2009年12月−「無償の愛。真っ白なスノーボールクッキーのような本」
2009年11月−「短編をよむ快楽。ビターなチョコレート・ブラウニーのような本」
2009年10月−「地図を広げて。町角でほおばるドーナツのような本」
2009年09月−「たどりつく場所。運命を占うコーヒーのような本」
2009年08月−「光と影を映す版画の世界。スパイシーなチャイのような本」
2009年07月−「大人の寓話。ノスタルジアな思い出がつまったラムネのような本」
2009年06月−「都市の風景。街の灯りを映すジン・ライムのような本」
2009年05月−「小さな島の物語。夏の喜びがつまったマーマレードのような本」
2009年04月−「旅はつづく。乾いた風に混じるチコリコーヒーの匂いを感じる本」
2009年03月−「オーラが輝く人。芳香を放つリモンチェッロのような本」
2009年02月−「Boy Meets Girlのときめき。さわやかなダイキリのような本」
2009年01月−「怖い物語。マシュマロ入りのホットココアでぬくもりを」
2008年12月−「少女の夢。ふんわり甘いマドレーヌのような本」
2008年11月−「聖夜にちなんで。幸運のお菓子ミンス・パイと心温まる本を」
2008年10月−「アメリカの風景。日曜日のチョコレートサンデーのような本」
2008年09月−「水辺の物語。水の波紋のような花茶のゆらめきとともに」
2008年08月−「和を慈しむ。日本情緒あふれるみつまめのような本」
2008年07月−「毎日が夏休み。夏の思い出の味がする、いちごのかき氷のような本」
2008年06月−「自然のインスピレーション。清々しく香るオレンジティーのような本」
2008年05月−「初夏の夜の匂い。新鮮なミントの葉が香るモヒートのような本」
2008年04月−「ファンタジックな贈り物。カフェ・コレットのように深い味わいの本」
2008年03月−「豊かなイメージの喚起。太陽の光を浴びたサン・ティーのような本」
2008年02月−「愛され続けて。バターの風味豊かでスイートなマフィンのような本」
2008年01月−「懐かしい思い出の味。カラメルソースが優しく甘いプリンのような本」
2007年12月−「極上の日本文学に酔う。豊かな芳香に満ちたカルヴァドスのような本」
2007年11月−「大切な人への贈り物に。ハートを描いたカプチーノのように心温まる本」
2007年10月−「北欧から届いた便り。フィンランドの素朴なお菓子・プッラのような本」
2007年09月−「旅心を誘われて。秋の香りを運ぶお酒、ジャック・ローズのような本」
2007年08月−「ハンモックに揺られながら読む。夏の果実のシャーベットのような本」
2007年07月−「さわやかな風に吹かれて。夏の庭で飲む葡萄ジュースのような本」
2007年06月−「もし猫と話せたら。夢溢れる空想の物語はハニーミルクのように優しい」
2007年05月−「愛の言葉の響き。サングリアのように甘く、生き生きとした詩の一節を」
2007年04月−「忘れられない愛。ハート色をしたイチゴのクリームソーダになぞらえて」
2007年03月−「春を告げるレシピ。お祝いの喜びに溢れた復活祭のお菓子のような本」
2007年02月−「昔を知る喜び。傍らには沖縄伝統の真っ白な泡のブクブクー茶を」
2007年01月−「音楽への扉が開く音。それはスパークリング・ワインのコルクの音のよう」
2006年12月−「幸せの予感に満ちて。ビターな香りを運ぶココアカプチーノのような本」
2006年11月−「冬のパリへ。ベビー・シャンパンの生まれたての泡に乾杯」
2006年10月−「叙情溢れる物語。異国的な香りたちこめるアールグレイのような本」
2006年09月−「恋愛のアフォリズム。甘酸っぱさが優しいクランベリーソーダのような本」
2006年08月−「ご馳走の歓び。幸福の味がするヴィシソワーズのような本」
2006年07月−「遠い夏。思い出は懐かしいバニラ・アイスの甘さとともに」
2006年06月−「いつも一緒に。心を優しく鎮めるラベンダー・ティーのような本」
2006年05月−「緑の木陰でひと休み。泡ガラスで冷たい麦茶をどうぞ」
2006年04月−「極上の短編の味わい。それは複雑に香るフルーツ・ティーのよう」
2006年03月−「ピュアな魂の物語。かぐわしい野生の黒すぐりの果汁のような本」
2006年02月−「花の色と香りで春を先取り。心華やぐローズヒップティーのような本」
2006年01月−「日本の良きたたずまいを思う。初春の読書に気持ちも新たにお抹茶を」
2005年12月−「冬の夜の静けさ。深い感動をコーヒー・グロッグの温かさとともに」
2005年11月−「究極の美に浸る喜び。贅沢なミモザのような本」
2005年10月−「自由気ままな旅へ。異国の地で飲む一杯のカプチーノから」
2005年09月−「季節が移ろう気配。メープルプディングで秋の深まりを感じる本を」
2005年08月−「愛と絶望の炸裂。そのきらめきは色が弾けるフルーツパンチのよう」
2005年07月−「私のパラダイス。その心地よさはカフェオレフロートの冷たい舌触り」
2005年06月−「夢と奇跡を巻き起こす。ミラクルな甘さのキャラメルラテのような本」
2005年05月−「楽園の神秘に思いを馳せる。コナコーヒーの深い香りを感じながら」
2005年04月−「果汁の一滴一滴がもたらす愛と美。濃厚なざくろジュースのような本」
2005年03月−「南風が吹き、光に包まれる季節。青空の下の読書には辛口の白ワイン」
2005年02月−「心の奥の記憶が甦る。夏の日のレモネードのような本」
2005年01月−「果実の香りは最高のアロマ。泡が輝くロゼ・シャンパンのような本」
2004年11月−「心からくつろいで。さわやかな香りを運ぶジャスミン・ティー。」
2004年10月−「豊かな人生の彩り。その独特の味わいは、桂花陳酒の香りのよう」
2004年09月−「身を焦がす情熱。カフェ・マッキャートのように濃い、人生の軌跡」
2004年08月−「甘くせつない郷愁。バナナ・ジュースのやさしい記憶に身を任せて」
2004年07月−「空と海と大地に宿る命。体を潤すグアバ・ジュースのような本」
2004年05月−「柔らかく無垢な眼差し。香り高いココナッツ・カプチーノのような本」
2004年04月−「官能的なルビー色の果肉。絞り立てのブラッドオレンジを飲みほして」
2004年02月−「本を開くと溢れる愛。カルーア・ミルクで心に休息を。」
2004年01月−「一匙のジャムは心の癒し。冬の夢へ誘うロシアン・ティーのような本」
2003年12月−「濃厚な甘さとほろ苦さ。あつあつのホットチョコレートのような本」
2003年11月−「待ち遠しいクリスマス。本の傍らには聖夜の定番・エッグノッグを」
2003年10月−「どこか懐かしい蜂蜜の味。とろりと甘いハニーカフェラテのような本」
2003年09月−「見ているだけで幸せ。華やかなハイビスカス・ティーのような本。」



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