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まっこリ〜ナのカフェボンボン
大の本好き&現役編集者の「まっこり〜ナ」さんが、Hon-Cafeで、特別連載をしてくださることになりました! 開くと幸せな気持ちになれる、ラブパワーあふれる本を、Cafeのメニューになぞらえて毎月セレクトしてくださいますよー。更新は毎月第3火曜日。どうぞお見逃しなく!
オキーフの絵

アメリカ美術の軌跡をたどる美術展「モダン・アート、アメリカン―珠玉のフィリップス・コレクション―」を六本木の国立新美術館で見てきました。ジョージア・オキーフの『葉のかたち』の前に立ったとき、たまたまそばには誰もいなくて、この素晴らしい絵にひとりだけで向き合う瞬間を味わうことができました。

同じくオキーフの『ランチョス教会、No.2、ニューメキシコ』は、砂漠の上に建つ教会の絵。日干しレンガで作られた不思議な形の建物は、まるで砂と一体化しているように見えました。教会の入り口がどこにあるのか定かではありませんが、突然扉が開いて誰かが出てきそうに思えます。たぶん黒髪の女の人が。物語が始まる気配のする絵です。

オキーフが好んで描いた花のクローズアップや動物の骨、砂漠の風景には、強い力が宿っています。百合や蘭の花は濃い香りを放っているかのようです。それは画家と自然との感応から生まれたのかもしれません。今回ご紹介している『空の絵本』にもそんなパワーを感じます。

さて、今月の月替わりメニューは、カンパリ・オレンジ。リキュールのカンパリをオレンジジュースで割ったカクテルです。鮮やかな色のお酒は夕焼けの空を思わせます。グラスに飾ったオレンジは月のよう。少しせつない夕暮れどきにぴったりの本を選びました。


まっこリ〜ナイメージ
まっこリ〜ナ Profile

編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
今月は……「空を見上げて。夕焼け色のカンパリ・オレンジのような本」


価格:¥1,575
月に親しみ、奥深さを知る

月と暮らす。
著者:藤井旭 / 出版社:誠文堂新光社


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月についてより深く知りたいという方におすすめの本。月の満ち欠け、月にまつわる言葉、月の文学と、多角的に月にアプローチ、日本にとどまらず、海外の月と文化のエピソードも豊富に紹介する。

古代より人間のくらしとともにあった月。昔の人は、満ちては欠ける月の姿に情緒あふれる名前をつけて呼んでいた。十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)……。呼び名の意味を知るとイメージがふくらみ、昔の人が月をどのようにとらえていたかも伺える。

江戸時代には、月齢の特定の月を拝む「月待ち信仰」が庶民のあいだで大流行したそうで、その実態はオールナイトの大宴会だったというのも面白いですね。

選び抜かれた月の写真がとても美しく印象的。湖面に映る月の道、人工衛星から見た月の出、ムーンボウなど珍しい写真も多数掲載されている。南半球・オーストラリアの満月を見ると、月の模様の傾きが日本と逆になっているのがはっきりとわかります。模様の見立てが地域や国によって異なるのも当然ですね。宮沢賢治が愛した岩手の月夜の光景が心に残ります。


価格:¥1,470
自然のグルーヴを感じる絵本

空の絵本
著者:長田弘/荒井良二 / 出版社:講談社


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遠くでかすかに響く太鼓の音がだんだん近づいてくるように雨が降り出す。小さな池や森に雨つぶが注ぎ、木々の濃い緑は灰色にけぶる。短く力強い言葉を合図に、雨脚は激しくなり、池の水も風も渦巻いて、鳥や動物たちは逃げていく。雨と雷が最高潮に達した時、詩と絵が一体となってグルーヴする。

そして……。雨が止んだあとの静けさ。雲のすき間から射しこむまぶしい太陽の光。ああ、気持ちいい。ほら、鳥たちもみんな戻って来たよ。ページをめくるたび、透明なしずくが滴り落ちてくるようでうっとりする。

詩人と絵本作家のセッションは、言葉と絵筆の持つエネルギーをあらためて感じさせてくれる。同時に、本書は、東北出身のおふたりが思いを込めて作った特別な絵本でもあります。

大雨のあとの夜空にはきっと星が降るようにまたたくだろう。煌煌と輝く月を見上げる平穏な日がくることを祈りつつ読みました。
・エスプレッソな本  「エスプレッソな本」一覧へ >>


価格:
¥1,869
楽しくて斬新なコミック版

星の王子さま
著者:ジョアン・スファール/池澤夏樹/サン=テグジュペリ / 出版社:サンクチュアリ出版


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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』のフランスコミック版。原作の王子さまの面影はない。青い目はこわいぐらいにギョロッと大きく、金髪の髪型はパンクみたい。でも、「おねがい、ヒツジの絵を描いて」ってじっと見つめられたら絶対断れない。魅入られてしまう。

王子さまは活発でよく笑う。時には無邪気に、ある時は悪魔的に。それでいて人の問いかけに返事をしない。さみしがり屋。ナイーブ。砂漠に不時着した飛行士は、王子さまに振り回されつつ愛おしくて仕方ない……。壊れたラジオで交信して遊ぶ飛行士と王子さまがほほえましくやるせない。

ジョアン・スファールが創作した場面は、コミックならではの自由さで違和感がない。色鮮やかな絵のディテールも楽しい。翻訳の池澤夏樹さんは、王子さまのイメージを汲んで「ぐんとくだけた、いきいきとした文体にした」そう。斬新でチャーミングな作品です。


・甘いココアな本  「甘いココアな本」一覧へ >>


価格:
¥1,680
動物たちの楽園がよみがえる

もうひとつの場所
著者:清川あさみ / 出版社:リトル・モア


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絶滅・絶滅危惧種をテーマにした、刺繍やビーズで織りなす美しい「図鑑」。

動物や鳥、恐竜、昆虫、草花など230種を収録。ドードー鳥、青い鹿、黄金の魚、アンモナイトなど、かつてこの地球にすんでいた生き物たち、いままさに絶滅の危機に瀕しているものたちが楽園によみがえる。

たとえば、夜の海底に眠るメガロドン。2500万年から600万年前には世界中の海に棲息していたという巨大なサメだ。夜の海は神秘的で、メガロドンは楽しい夢をみながら眠っているようだ。私はこの絵がいちばん好き。花に群がる蝶や熱帯の森の方が華やかで見栄えがするけれど、こういう黒を基調としたシックな作品に魅かれる。

気の遠くなるように根気のいる地道な手仕事から生まれた豪華絢爛な本。クリスマスの贈り物にもおすすめの一冊です。


・カフェオレな本  「カフェオレな本」一覧へ >>


価格:
¥420
家族のだんらんにしみじみ

かつおちゃんとわかめちゃん@
著者:長谷川町子 / 出版社:朝日新聞社


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幻といわれた名作シリーズの第一巻。磯野家を舞台にカツオとワカメが活躍する。ふたりの他愛のないいたずらや家族のだんらんが、明るくほのぼのと描かれている。素朴な絵柄も新鮮。サザエさんはまだ独身ですが、弟と妹をおつかいに連れて行ったり、子どもたちと大人げなくケンカをするおなじみの光景が見られます。

本書のような初期の作品では、戦後まもない日本の風景に出会えるのも楽しみのひとつ。磯野家の庭には炭俵があり、カツオが中に隠れているのを知らずにサザエさんが物置に入れてしまう、なんていう話もあります。道端に夕刊売りの人が立っていた時代です。

運動会にフネさんが作るのり巻きと柿と栗のお弁当も、これぞ秋の行事という感じでいいですね。質素だけれど満ち足りた家庭のくらしぶりがしみじみと伝わる作品です。


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2012年05月−「謎めいて。芳醇に香るヴィンテージ・ワインのような本」
2012年04月−「自然とともに。白い花のエルダーフラワー・ジュースのような本 」
2012年03月−「散歩日和。春を探しに焼きたてのマフィンをかごに詰めて」
2012年02月−「いにしえの都。若草が香る鶯もちのような本」
2012年01月−「木の話。森で味わう深煎りのコーヒーのような本」
2011年12月−「本の迷宮。エレガントなカフェ・ロマーノのような本」
2011年11月−「空を見上げて。夕焼け色のカンパリ・オレンジのような本」
2011年10月−「キュートな絵本。甘いホット・ファッジ・サンデーのときめき」
2011年09月−「日本のふるさとへ。素朴でやさしい味わいの栗もちのような本」
2011年08月−「今日もふらりと。公園のベンチに座ってソフトクリームでひと休み」
2011年07月−「永遠の夏。昼下がりのライチジュースのような本」
2011年06月−「電車日和。駅のスタンドのコーヒーが旅の始まり」
2011年05月−「かぐわしい夏。絞り立てのマンゴージュースのような本」
2011年04月−「大切な言葉。深い余韻を残すエスプレッソマキアートのような本」
2011年03月−「おみせ大好き。縁日の綿あめのようなノスタルジックな本」
2011年02月−「日本の粋。和の心あふれる桜もちのような本」
2011年01月−「見る喜びに満ちて。心浮き立つシャンパン・サングリアのような本」
2010年12月−「思いを届けて。遥かな国の便りを待ちながらクリスマス・ティーを」
2010年11月−「ラブリー・ガール。甘い夢をのせたカップケーキのような本」
2010年10月−「緑あふれる本。庭の木陰でクリームティーを楽しみながら」
2010年09月−「夜のファンタジー。秋の匂いがするメープルミルクティーのような本」
2010年08月−「少年たちの物語。甘酸っぱいミックスベリーティーのような本」
2010年07月−「見果てぬ夢。眠れない夜にのむ白ビールのような本」
2010年06月−「島のごちそう。夏の午後のパインソルベのような本」
2010年05月−「世界は広い。異国の風が香るミント・ジュレップのような本」
2010年04月−「道を極める本。傍らには気を静めるオレンジピール・ティーを」
2010年03月−「ビバ!ミュージック。泡がきらめくハイボールのような本」
2010年02月−「青春の輝き。夢がはじけるライムソーダのような本」
2010年01月−「ぼくのコレクション。フランボワーズリキュールで至福の時を」
2009年12月−「無償の愛。真っ白なスノーボールクッキーのような本」
2009年11月−「短編をよむ快楽。ビターなチョコレート・ブラウニーのような本」
2009年10月−「地図を広げて。町角でほおばるドーナツのような本」
2009年09月−「たどりつく場所。運命を占うコーヒーのような本」
2009年08月−「光と影を映す版画の世界。スパイシーなチャイのような本」
2009年07月−「大人の寓話。ノスタルジアな思い出がつまったラムネのような本」
2009年06月−「都市の風景。街の灯りを映すジン・ライムのような本」
2009年05月−「小さな島の物語。夏の喜びがつまったマーマレードのような本」
2009年04月−「旅はつづく。乾いた風に混じるチコリコーヒーの匂いを感じる本」
2009年03月−「オーラが輝く人。芳香を放つリモンチェッロのような本」
2009年02月−「Boy Meets Girlのときめき。さわやかなダイキリのような本」
2009年01月−「怖い物語。マシュマロ入りのホットココアでぬくもりを」
2008年12月−「少女の夢。ふんわり甘いマドレーヌのような本」
2008年11月−「聖夜にちなんで。幸運のお菓子ミンス・パイと心温まる本を」
2008年10月−「アメリカの風景。日曜日のチョコレートサンデーのような本」
2008年09月−「水辺の物語。水の波紋のような花茶のゆらめきとともに」
2008年08月−「和を慈しむ。日本情緒あふれるみつまめのような本」
2008年07月−「毎日が夏休み。夏の思い出の味がする、いちごのかき氷のような本」
2008年06月−「自然のインスピレーション。清々しく香るオレンジティーのような本」
2008年05月−「初夏の夜の匂い。新鮮なミントの葉が香るモヒートのような本」
2008年04月−「ファンタジックな贈り物。カフェ・コレットのように深い味わいの本」
2008年03月−「豊かなイメージの喚起。太陽の光を浴びたサン・ティーのような本」
2008年02月−「愛され続けて。バターの風味豊かでスイートなマフィンのような本」
2008年01月−「懐かしい思い出の味。カラメルソースが優しく甘いプリンのような本」
2007年12月−「極上の日本文学に酔う。豊かな芳香に満ちたカルヴァドスのような本」
2007年11月−「大切な人への贈り物に。ハートを描いたカプチーノのように心温まる本」
2007年10月−「北欧から届いた便り。フィンランドの素朴なお菓子・プッラのような本」
2007年09月−「旅心を誘われて。秋の香りを運ぶお酒、ジャック・ローズのような本」
2007年08月−「ハンモックに揺られながら読む。夏の果実のシャーベットのような本」
2007年07月−「さわやかな風に吹かれて。夏の庭で飲む葡萄ジュースのような本」
2007年06月−「もし猫と話せたら。夢溢れる空想の物語はハニーミルクのように優しい」
2007年05月−「愛の言葉の響き。サングリアのように甘く、生き生きとした詩の一節を」
2007年04月−「忘れられない愛。ハート色をしたイチゴのクリームソーダになぞらえて」
2007年03月−「春を告げるレシピ。お祝いの喜びに溢れた復活祭のお菓子のような本」
2007年02月−「昔を知る喜び。傍らには沖縄伝統の真っ白な泡のブクブクー茶を」
2007年01月−「音楽への扉が開く音。それはスパークリング・ワインのコルクの音のよう」
2006年12月−「幸せの予感に満ちて。ビターな香りを運ぶココアカプチーノのような本」
2006年11月−「冬のパリへ。ベビー・シャンパンの生まれたての泡に乾杯」
2006年10月−「叙情溢れる物語。異国的な香りたちこめるアールグレイのような本」
2006年09月−「恋愛のアフォリズム。甘酸っぱさが優しいクランベリーソーダのような本」
2006年08月−「ご馳走の歓び。幸福の味がするヴィシソワーズのような本」
2006年07月−「遠い夏。思い出は懐かしいバニラ・アイスの甘さとともに」
2006年06月−「いつも一緒に。心を優しく鎮めるラベンダー・ティーのような本」
2006年05月−「緑の木陰でひと休み。泡ガラスで冷たい麦茶をどうぞ」
2006年04月−「極上の短編の味わい。それは複雑に香るフルーツ・ティーのよう」
2006年03月−「ピュアな魂の物語。かぐわしい野生の黒すぐりの果汁のような本」
2006年02月−「花の色と香りで春を先取り。心華やぐローズヒップティーのような本」
2006年01月−「日本の良きたたずまいを思う。初春の読書に気持ちも新たにお抹茶を」
2005年12月−「冬の夜の静けさ。深い感動をコーヒー・グロッグの温かさとともに」
2005年11月−「究極の美に浸る喜び。贅沢なミモザのような本」
2005年10月−「自由気ままな旅へ。異国の地で飲む一杯のカプチーノから」
2005年09月−「季節が移ろう気配。メープルプディングで秋の深まりを感じる本を」
2005年08月−「愛と絶望の炸裂。そのきらめきは色が弾けるフルーツパンチのよう」
2005年07月−「私のパラダイス。その心地よさはカフェオレフロートの冷たい舌触り」
2005年06月−「夢と奇跡を巻き起こす。ミラクルな甘さのキャラメルラテのような本」
2005年05月−「楽園の神秘に思いを馳せる。コナコーヒーの深い香りを感じながら」
2005年04月−「果汁の一滴一滴がもたらす愛と美。濃厚なざくろジュースのような本」
2005年03月−「南風が吹き、光に包まれる季節。青空の下の読書には辛口の白ワイン」
2005年02月−「心の奥の記憶が甦る。夏の日のレモネードのような本」
2005年01月−「果実の香りは最高のアロマ。泡が輝くロゼ・シャンパンのような本」
2004年11月−「心からくつろいで。さわやかな香りを運ぶジャスミン・ティー。」
2004年10月−「豊かな人生の彩り。その独特の味わいは、桂花陳酒の香りのよう」
2004年09月−「身を焦がす情熱。カフェ・マッキャートのように濃い、人生の軌跡」
2004年08月−「甘くせつない郷愁。バナナ・ジュースのやさしい記憶に身を任せて」
2004年07月−「空と海と大地に宿る命。体を潤すグアバ・ジュースのような本」
2004年05月−「柔らかく無垢な眼差し。香り高いココナッツ・カプチーノのような本」
2004年04月−「官能的なルビー色の果肉。絞り立てのブラッドオレンジを飲みほして」
2004年02月−「本を開くと溢れる愛。カルーア・ミルクで心に休息を。」
2004年01月−「一匙のジャムは心の癒し。冬の夢へ誘うロシアン・ティーのような本」
2003年12月−「濃厚な甘さとほろ苦さ。あつあつのホットチョコレートのような本」
2003年11月−「待ち遠しいクリスマス。本の傍らには聖夜の定番・エッグノッグを」
2003年10月−「どこか懐かしい蜂蜜の味。とろりと甘いハニーカフェラテのような本」
2003年09月−「見ているだけで幸せ。華やかなハイビスカス・ティーのような本。」



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