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Hon-Cafeでは、毎月スペシャルゲストをお呼びしています。
4つのテーマで、毎週1冊づつゲスト愛読の「とびきりの1冊」を教えていただきますので、どうぞお楽しみに・・・!
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■大塚葉さん (『やりたい仕事で豊かに暮らす法』著者)
2003年1月のゲストは、年明けにふさわしい「やりたい仕事で豊かに暮らす法」著者の大塚葉さん。 プライベートでこうした本を出版されながら、茶道や着付けをさらりとこなしておられます。 本業では、日経BP社の女性編集長として、「日経PCビギナーズ」を発行される素敵なキャリアウーマンです!
宗葉のページ
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4週目‥‥大塚葉さんにとって忘れられない小説は? |
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指輪物語、ハリー・ポッターシリーズと、ファンタジーブームの昨今。でも私が、これまで読んだ本の中でファンタジーの最高峰として挙げたいのは、三島由紀夫の「豊饒の海」4部作です。第1巻「春の雪」の時代背景は明治末、侯爵家の美貌の青年松枝清顕の物語。左脇の下に3つ並んだホクロを持つ彼は、伯爵家の令嬢と禁じられた恋に落ち、結ばれることなく20歳で夭折。死の直前に彼は、親友の本多繁邦に「又、会うぜ」という謎の言葉を残します。第2巻「奔馬」はその18年後、裁判官となった本多が出会う飯沼という革命家の青年の脇腹には、3つ並んだホクロが…。そう、彼は中学時代の友人、松枝の生まれ変わりだったのです。その後飯沼青年は、要人暗殺計画に関わり若くして自決。そして第3巻「暁の寺」で、60歳を間近にした本多は、日本を訪れたタイの王女のからだに3つのホクロを見出すのです…。夢と輪廻転生、神秘とエロティシズムを描いた壮大なこの小説の原稿を書き終えた直後、作者の三島自身も自刃による壮絶な最期を遂げました。18歳の時に初めて読んだこの小説は、今でも忘れられない本のひとつです。
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3週目‥‥大塚葉さんが涙してしまった本は? |
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今回ご紹介するのは、言葉の魔術師ともいえる谷川俊太郎氏の詩集。男と女の生前から出会い、愛の日々、老い、死後までを綴った36篇の詩、「未生」から「後生」までが収録されています。この本の挿絵を描いた佐野洋子氏は、「100万回生きたねこ」(講談社)などで有名な絵本作家。題名は「女に」となっていますが、谷川氏から佐野氏への愛の詩と考えてもいいでしょう。当時のお二人は60代と50代。とても素直で、ときには情熱的にほとばしり出る愛の言葉の一つひとつに、読むたびに涙がこみ上げてきます。何歳になっても、こんな素敵な恋愛ができるといいですね。何度目かの結婚をなさったお二人ですが、谷川氏はその後またお一人になったとか。今度はどんな恋をしておられるのでしょうか。ちなみにこの本、装丁は平野甲賀氏。3大巨匠のコラボレーションによる詩集というわけです。
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2週目‥‥大塚葉さんが最近読んだおすすめ本は? |
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この本は書店の売れ筋ランキングにも載っていたので、ご存知の方も多いのでは? ワーキングスタイルに興味のある私としては、ビジネス書の中でも整理術の本はよく買います(ずっと買い続けているということは、結局ちっとも整理が上手になっていないからか?)。さてこの本、ほかの整理術の本と比べて面白いのは、著者の”整理に対する思想”です。たとえば彼女はオフィスで整理が必要な品として、予備の事務用品・古い顧客や仕事のファイル・会社の封筒や便箋などのほかに、「思い出の品」を挙げています。これは古い写真やもらったカードなど、現段階では利用価値はないが、センチメンタルな理由から保存しておきたいもののこと。普通の整理術本には、こういうモノはオフィスでの整理の対象にはしていませんよね。でも、実際に会社で捨てられないモノのほとんどは、このような「私情」がまじった品々であるということを、著者はよくわかっているのです。もうひとつ面白かったのは、彼女は自分の手帳に「オン」と「オフ」を一緒に書き込んでいること。雑誌の編集という公私の区別がつきにくい仕事をしている私も、手帳にはすべての予定を一緒に書いているので、このあたりも共感しました。何よりこの本が売れたのは、「Order From Chaos」という原題の日本語訳が秀逸だったからでしょうね。やっぱり、本はネーミングが大切。そんな意味でも、編集者として心から拍手を送りたい1冊です。
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1週目‥‥大塚葉さんおすすめの、元気になれる本は? |
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著者名のないこの本、実はアメリカのユナイテッド・テクノロジーという会社の企業広告を集めたものです。同社会長だったハリー・グレー氏が、経営者としての主張や意見を訴えるメッセージをウォール・ストリート・ジャーナル紙に1979年から掲載しました。1回分は30行くらい。一見して詩のようですが、その内容は人への思いやり、仕事への取り組み方、親族や友人への感謝など、美しく機知に富んだな言葉にあふれています。この広告には読者から何万通もの手紙が寄せられ、リプリントの依頼が山のように来たそうです。例えば「”女の子”を追い払おう」という回を紹介しましょう。これは、オフィスで男性が女性に対して「うちの女の子に渡しておいて」とか「女の子から連絡させるよ」と言うことについて、「”女の子”って、誰のこと? 働く女性をちゃんと名前で呼ぼうではないか」というメッセージ。これに対してある女子校は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に、「ありがとう、ハリー・グレー」というタイトルの一面広告を打ったそうです。素敵な話ですよね。このほか「大切なのは”何時”でなく”何”」、「失敗を恐れるな」、「冒険してみよう」などなど…。ちょっと気分が落ち込んだとき、自分に自信が持てなくなったときに、力づけてくれる1冊の本。それが、この「アメリカの心」です。
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